フリーランスエンジニアに対して、お客さんから求められること

フリーランス案件の探し方

フリーランスエンジニアは、お客さんのプロジェクトに1メンバーとして参加しながら、いろいろな案件を転々とします。それぞれの案件では、お客さんから求められるスキルや能力は異なります。そのため、フリーランスエンジニアは、自身が持っているスキルや能力に合ったプロジェクトを探す必要があります。案件ごとに異なるスキルや能力が求められますが、一方でどの案件でも求められるスキルや能力の傾向はあります。

この記事では、お客さんがフリーランスエンジニアに求める共通のスキルや能力などの傾向に付いて記載します。

1⃣ ITスキル・知識の経験値

お客さんから求められるITスキル(PG言語、SQLなど)と知識(セキュリティ、業務、ツールなど)は、案件によって異なりますので、「これ」と言い切る事は出来ません。ただ、傾向として、お客さんに求められる要素は「経験値」になります。経験と言っても、2つのパターンがあります。お客さんから求められる優先度の高いパターンは、以下1⃣-1になります。1⃣-2は、1⃣-1程の評価はお客さんからもらえませんが、お客さんにアピールできる要素になります。

1⃣-1 プロジェクトに必要なスキルの実践経験

お客さんが、フリーランスエンジニアに対して最も求めるのは「実績」となり、以下の2点となります。

  • フリーランスエンジニアが過去に参加した案件の中で、お客さんが求めるスキル・知識を使った事があるのか
  • どのような成果物(処理、機能など)を作成したのか

そのため、エンジニアは、「どのようなシステム」の、「どのような機能・処理の開発」に携わったのか、そして、その機能・処理の「規模(ステップ数など)」、「開発期間」などを整理して、お客さんに説明できるようにするのが良いです。

2⃣-2 プロジェクトに必要なスキルの習得

実践経験は無いけど、勉強を通して学んだレベルとなります。正直、このレベルはお客さんは求めてはいないです。お客さんは、実践経験を求めるので、なかなか習得レベルの(実践経験の無い)スキルを必要とする事は少ないです。

しかし、フリーランスエンジニアとして働き続けるには、「キャリアアップ」が必要となり、それには「新しいスキルや知識の習得 ⇒ 実践経験の獲得」が、絶対に必要となります。

そのため、「実践経験の無い技術を使う案件」に参加するには、自身の本気度やポテンシャルをアピールし、お客さんからある一定の評価をもらう必要があります。そのアピール方法は、どのくらい習得しているかを見える化する事です。見える化の方法は、資格を取る・自分のPG作品(例:データ検索機能、登録機能など)を紹介する、などになります。

スキルの習得は、お客さんが求めているレベルではないですが、お客さんにアピールして一定の評価をもらい、希望案件への参画の扉を開いてくれる可能性となります。

2⃣ 能力

フリーランスエンジニアは、上記1⃣のITスキルや知識が求められますが、ITスキル・知識以外にも求められる要素があります。それが、「能力」です。ここで言う「能力」とは、「ITスキル・知識(例:PG言語、要件定義、設計など)の直接開発に関わる技術以外のスキル(出来る事)」となります。

2⃣-1 コミュニケーション能力

コミュニケーション能力とは、相手に自分の伝えたい事、または相手が求めている事を分かりやすく説明・報告・依頼・調整する事が出来る能力となります。特に特別な事では無いです。

コミュニケーションの例は、以下の通りです。

  • 打合せなどでの司会進行(ファシリテーション)
  • 資料の内容説明と質疑応答
  • チーム間の日程調整

フリーランスエンジニアが参加する開発案件は、中規模~大規模になることが多いです。多くの人と打ち合わせ、資料説明、メールと言ったコミュニケーションが必要となります。そのため、プロジェクトメンバーと連携しながら、成果物を作成できるエンジニアが求められます。

ただ、エンジニアは一般的に技術色が強いので、コミュニケーションを得意としない場合が多いです。ITスキルや知識に重きを置きすぎる傾向があるので、専門用語の多用や言葉足らずになり、説明や報告の内容が、相手に伝わり難い場合があります。それにより、お客さんとの連携が中々うまく行かない事もしばしば・・・。

そのため、コミュニケーションを得意とするエンジニアは、お客さんから重宝される傾向があります。人とコミュニケーションする事が「得意」、または「好き」な方は、面談などで自身のコミュニケーション力をお客さんにアピールする事をお勧めします。

2⃣-2 能動的に動ける能力(意思)

自分に任せられたタスクを達成するために、自分の意志と判断で行動してタスクを達成する能力です。

タスクは、プログラムの実装、設計書作成などの技術的なタスクから、チーム運営・チーム間調整などの管理・PMOタスクと幅は広いです。

任せられるタスクは、案件ごとに異なるので、「どのタスクを能動的に行う」と言うのはできません。ただ、一般的に求められる「能動的能力」の例は以下の通りです。

  • 必要に応じて、主体的に打ち合わせを開催する
     打合せで必要な資料やテーマなどの準備、当日のファシリテーション、関係者の時間調整など
  • 分からない事があれば、自分で調査・質問を行う
     グーグル検索での調査。分かる人への質問 など
  • 困った事などに付いて相談する
     抱えている問題についての相談。問題への対策案の作成など

上記の様に、「失敗を恐れないで、自分が主体となって作業や問題に立ち向かう覚悟を持っている人」(ちょっと極端ですが・・・)が、お客さんから評価を得る事ができます。

2⃣-3 プロジェクトへの順応能力

自身のやり方に固執せず、各プロジェクトの文化に適応し、貢献できる能力となります。

プロジェクトは、一つとして同じものはなく。ルール、習慣、用語、進め方など、プロジェクトごとに異なります。そのため、それぞれの環境に自身を順応させることが求められます。ただ、中には効率の悪いやり方、不要と思われるルールなどあります。そのような場合、気にはなりますし、手間も発生しますが、少々の努力で対応が可能であれば、対応してしまうのが良いです。

ただし、自身の作業全体に影響が発生したり、パワハラ・モラハラなど人権にかかわる事は、現場のリーダや担当営業に報告・相談など、しっかりと対応する事をお勧めします。

以下、自分のやり方を押し通そうとするフリーランスエンジニアの例です(過去の経験より)。年齢が上のエンジニアにその傾向は強いですね。

  • お願いされた仕様と異なる機能・処理を実装してしまう
  • 機密情報を扱うため家で作業(在宅ワーク)を求められても、勝手にカフェで作業を行う

フリーランスエンジニアは、個人事業主なので自分のスタイルを持つ事は大切です。しかし、自身のやり方に固執しすぎるあまり、お客さんやメンバーに迷惑をかけたり、案件を失っては、本末転倒です。プロジェクトの環境(ルール、文化、習慣など)と自分のスタイルのバランスを、うまく保つことが重要ですね。

3⃣ 人間性

仕事に対する姿勢、考え方などの、非スキル・能力に関する要素となります。言い換えれば「人間性」となります。エンジニアなので、上記の1⃣と2⃣の通り「スキル・能力」が、優先的に必要とされます。

しかし、フリーランスエンジニアはお客さんのプロジェクトに1メンバーとして参加し、他のメンバーと協力しながら作業を進めて行きます。そのため、良好な人間関係の構築や組織の一員としての行動を求められます。

3⃣-1 前向きな姿勢

案件に参加すると、多くの作業が発生します。その中には、簡単な作業もあれば難しい・面倒くさい作業もあります。簡単な作業であれば、誰でも文句なく対応できるものです。しかし、難しい作業や手間がかかる作業になると、文句の一つも出てきます。ある程度の文句は、誰でもありますが、文句ばかり言うエンジニアも中にはいます。

難しい作業であったり、手間がかかる作業を任せられた時に、文句を我慢(少な目)して、積極的に作業を進める・進めようとする事の出来るエンジニアは、お客さんから評価されます。まあ、当たり前と言えば、当たり前ですね。

ただ、何でもかんでも、指示されるままに作業を行うとパンクしてしまうので、自身の作業状況を踏まえて作業量の調整を、お客さん(リーダ)と行ってください。

3⃣-2 普通の勤怠

ごくごく普通の事です。「毎日、決められた時間の通り作業を行う」「遅刻や休暇の場合は、現場のリーダや関係者に連絡を行う」といった内容です。

とても簡単な事の様に思われますが、勤怠の良くないエンジニアはそこそこいます。「良く遅刻する」「連絡せずに休む」「休みが多い」などです。お客さんからすると、作業スケジュールに影響が出たり、チームのモチベーションに関わってくるので、重く受け止める場合が多いです(当たり前ですね)。エンジニア側にも、それなりの理由があると思うのですが、勤怠は普通に守りましょう。

3⃣-3 礼儀・マナー

一般的な礼儀やマナーを守りながら、チームメンバーと良好な関係を構築する要素です。

フリーランスエンジニアの参加する案件は、中規模~大規模の案件が大半です。そのため、案件には沢山のエンジニアがおり、タスクを分担しスケジュールやルールを守りながら作業を進めて行きます。そのため、メンバーとの関係構築はとても大切な要素となります。

特別な事をする必要は無いです。「挨拶をする、普通の丁寧な話し方(敬語)」など、相手を尊重する事で、一定の「礼儀とマナー」は達成できます。

「挨拶をしない、無視する、大声で怒鳴る、失敗を責める、失敗を人のせいにする」などの事は絶対にしないようにしましょう。

4⃣ 強み

上記1⃣~3⃣では、お客さんに求められる要素について記載しました。しかし、すべての要素を網羅できるエンジニアは、基本おりません。また、仮に上記すべての事が出来るとお客さんにアピールしても、何でも出来過ぎて、逆に「何ができるの?」と思われ評価に繋がりにくくなります。そのため、「何でもできます!!」ではなく、「自分はどんな人・エンジニア」なのか、「何が得意でどのように案件に貢献」できるのかを、伝えられる様にする事が重要です。

例えば「強み①:基本設計、PHP(laravel)プログラミング。 強み②:コミュニケーション・・・」と言うように、複数の項目に優先順位をつけて伝えると、お客さんにアピールできます。

5⃣ まとめ

この記事では、お客さんから求められる要素について説明しました。

これらの要素は、今までの自身の経験を通して気づいた・学んだ内容です。そのため、他にもお客さんから求めれらる要素はあります。この記事をベースにしつつ、皆さんのフリーランス活動を通して、新たな要素を見つけ、よりお客さんの求める人材に近づけると良いですね。

上記に記載されている要素は、お客さんにアピールする事が必要となり、アピールするタイミングは、基本的に「面談」となります。しかし、面談では、ただ自分の「強み」をアピールするだけではなく、過去の実績(技術経歴)などに付いても説明をしないといけません。面談に臨み、自分の経歴の説明およびアピールするためのポイントについては、フリーランスエンジニアが、お客さんとの面談に臨む時のポイントをご覧ください。