フリーランスのシステムエンジニアになると、お客さんのプロジェクトに参加(常駐、リモート)することがメインになります。そして、プロジェクト(案件)に参加する際、多くの場合プロジェクトメンバーは初めて会う人達ばかりです。お客さん側の会社員やそのビジネスパートナー(お客さん以外の開発会社のメンバー)など、多くの開発関係者がいる中に一人で入っていきます。完全にアウェイです・・・
とは言え、それがフリーランスエンジニアです。なので、この状況はプロジェクト(案件)を換える度に、「完全アウェイ」から始まります。そして、そのような「完全アウェイ」の中、自分の力を発揮しプロジェクトに貢献していく必要があります。
プロジェクト(案件)で自分の力を発揮するには、やはりコミュニケーション(人間関係の構築)が重要となります。しかし、これはフリーランスでなくても、重要な要素となります。
この記事では、フリーランスエンジニアの観点から、如何にして案件(プロジェクト)に慣れ、力を発揮していくかについて記載します。
1⃣フリーランスだからと言って、完璧なエンジニアである必要はない
案件では、フリーランス=即戦力として期待されます。そのためフリーランスエンジニアは、自分はなんでも知っていて、なんでも出来なければいけないと思う場合があります。要はエースです。結果、分からない事があっても聞けず、自分だけで調査や解決をしようとしてしまいます。自分だけで解決でき、スケジュールなどへの影響が出ないのであれば、問題は無いです。しかし、「自分だけで・・・」を貫くあまり、自分への作業負荷の増加や周り(チームメンバー、スケジュール)への影響が出るのであれば、そのスタイルは、間違っている事になります。
そのような事にならないために、お客さんが何を期待しているのかを理解する事が重要です。お客さんが期待していることは、プロジェクトの1メンバーとして他のメンバーと協力して仕事をしてもらう事です。あなたがフリーランスだからと言って、特別な事は期待していません。そのため、分からない事があれば質問して良いですし、困りごとがあれば現場リーダに相談をして良いです。特別な存在である必要はありません。
もちろん、任されたタスク、役割はちゃんと実施しなければなりません。しかし、それは、1プロジェクトメンバーとしてです。フリーランスエンジニア=エースではありません。
2⃣希望と違う案件でも、キャリアアップにつながるポイントを見つける
エージェント・SES企業へ自分の希望を伝え、お客さんと面談をして参加する案件ですが、案件の内容が、希望や聞いている話しからズレている事はよくあります。例えば、プログラムをすると聞いていたのに、チーム間の調整役だったり、チームリーダと聞いていたのに、ほぼテスターだった事もあります。
では、希望との乖離がある場合どうするのかですが、「案件をやめる」は一つの手段です。ですが、希望と異なる事が良くあるのに、その都度「案件をやめる」を繰り返してたら、フリーランスとしてのキャリアを積めなくなりますし、エージェントやSES企業が自分から離れてしまいます。何より、収入が不安定になります。また、案件を辞めなくても、日々のタスクを、それなりに行うだけであれば貴重な時間を無駄にする事になります。
それでは、どうするのが良いのか。それは「希望とは違うなりに、自分のキャリアアップにつながるポイントを見つける努力をする。そして努力した結果、見つからない場合は、案件を辞める」です。どんなに希望と異なる案件でも、勉強になる部分、キャリアアップに繋がる部分はあります。その部分を見つけ出し、自分の力にしていく事が重要です。また、そうする事で、案件での目標ができるので、モチベーションの向上にも繋がります。
希望と異なる案件に参加する事が比較的多いフリーランスエンジニアにとって、如何に自分にとって希望としない状況を、ポジティブな状況に換えるか、柔軟なマインドがとても重要になります。それにより、案件に対するモチベーションが上がり、プロジェクト(案件)に慣れ、結果自分のキャリアアップに繋がります。
3⃣営業担当とコンスタントに連絡を取る
案件に参加すると、タスクや人付き合いで忙しくなります。結果、担当営業との連絡は減少しますし、全く連絡しなくなることもあります。そして、それによる日常タスクへの影響もありません。しかし、担当営業とは、コンスタントに連絡を取り、日常タスク・人間関係・勤怠などについて共有しておく方が良いです。以下、営業担当者とコンスタントに連絡を取る2つの理由について記載します。
理由1 営業の観点からの案件に関するアドバイス
日常業務での悩みや困りごとについて、営業の観点からアドバイスをもらえます。日常の業務を行っていると、やはり人間関係で悩んだり、仕事の仕方で困ったりすることがあります。もちろん、現場のメンバーに相談する事ができれば良いのですが、参加したばかりの時や、そもそもコミュニケーションが少ない案件の場合、周りのメンバーと関係を深めるのは難しいです。それにより、一人で悩みを抱えてしまい、案件に馴染めず、また自分の力を発揮できず、案件で難しい時間を過ごす事になってしまいます。
そのような状態にならないために、コンスタントに営業担当者と連絡を取り、正直に自身の置かれている状況や悩みをお話しするのが良いです。営業担当者は、普段から対人の仕事をしており、人間関係に関する経験が豊富なので、何かしらのアドバイスをしてくれます。また、営業担当者からお客さんへ何かしらの働きかけをしてくれるかもしれません。何より、人に話を聞いてもらえるだけで、気持ちが楽になります。
悩みや困りごとが完全に解決するとは限りませんが、営業担当者とのコミュニケーションを通して、解決への「きっかけ」「ヒント」が見つかるかもしれません。そのため、コンスタントに営業担当者とコミュニケーションを取り続ける事をお勧めします。
理由2 既存案件でのトラブル時の迅速なサポート
トラブルが発生した際に、迅速かつ正確にヘルプしてもらえます。案件でのタスクや人間関係がうまく行っている時は、担当営業と連絡が無くても問題ないのです。しかし、何か困りごと(例:人間関係、仕事について行けない、勤怠など)が発生し、自分だけでは解決できない場合、担当営業に相談をする必要があります。
しかし、営業担当者が、現場の状況を理解できないと的確かつ迅速にヘルプはできません。その結果、問題解決が遅くなり、技術者は体調を壊したり、契約停止になってしまうリスクがあります。そのようなリスクを軽減するために、コンスタントに担当営業と会って、状況を伝える事が大切です。それにより「いざっ」という時、営業担当者はお客さんへ迅速に働きかけをしてくれますし、そこで解決ができなければ、次の案件に向けて動いてくれます。
まとめ
フリーランスとして案件に参加する場合、案件で任されたタスクや役割をこなすだけでなく、問題が発生した時の事や、期待・予測外の事への対応を意識した判断・行動が必要となります。日常の業務だけでも大変なのに、これらの事を実践するのは大変です。なので最初から完璧にやろうとしないで、焦らず徐々にやれる様にして行くと良いですね。