フリーランスエンジニアが、参加プロジェクトを円満に脱退する際のポイントについて

参加プロジェクトでのポイント

フリーランスエンジニアとして働くと、色々な案件(お客さんプロジェクト)を渡り歩くことになります。一つの案件に参加して、一定期間働いたら案件を脱退し次の案件に参加する、を繰り返します。案件(お客さんプロジェクト)に参加する際、自分の力を発揮できるよう、いろいろな工夫が必要となります。そして同様に、案件を脱退する時も、ただ脱退するのではなく、既存プロジェクトと脱退後のフリーランス活動を意識して脱退する必要があります。この記事では、案件(お客さんプロジェクト)を脱退する際のステップとポイントについて記載します。

1⃣ プロジェクト脱退のステップとポイント

案件(お客さんプロジェクト)の脱退ステップは、ステップ1~ステップ3の3段階となっています。

ステップ1 内部関係者にプロジェクトを抜ける旨を伝える

案件(お客さんプロジェクト)を抜けるには、先ずは関係者にプロジェクトを抜ける事を伝える必要があります。その際のポイントは以下の2つあります。

①お客さんには直接伝えない。既存案件を保険にする。

プロジェクトを抜ける事を伝えるのは、内部の関係者のみとなります。
つまり、エージェントやSES企業の担当営業となります。この段階では、お客さんに伝えてはNGです。伝えてしまうと、次の案件の目途が立っていない状態で、やめる事が、ほぼ確定してしまいます。そうすると、次の案件が見つからない場合、収入がなくなってしまうリスクを抱えてしまう事になります。

そのため、案件が見つからない時に既存案件に戻れる様にしておく必要があります。つまり保険です。何があっても既存案件に戻る気持ちがない場合でも、背に腹は変えられないので、この時点でのお客さんへの連絡は控えましょう。

お客さんに伝えるタイミングは、次の案件の目途が立ったくらいで、担当営業と相談しながら決めるのが一番安全です。

②やめる理由と時期、次の案件開始時期を明確にする

エージェントや担当営業に案件を辞める旨を伝える時は、以下の内容もしっかりと明確にし伝えると良いです。特別な内容ではないです。当たり前の事を明確にすることで、次の案件にスムーズに移れる様にしましょう

案件を辞める時期     最短でも辞める2か月前には伝えます。理由は、次の案件を探す期間が
必要だからです。
辞める理由なるべく前向きな理由や、やむを得ない理由を伝えましょう。その方が、
お客さんに説明がしやすく、納得されやすいので円満退社に繋がります。
例)新しい事に挑戦したい。家族の体調が悪いので看病する など
次の案件を開始する時期フリーランスになると、数か月間休暇する場合もありますので、
次の案件の開始時期を、エージェントや営業担当に明確に伝えましょう。
そうすれば、その時期に合わせて、エージェントや営業担当は案件探しを
してくれます。
案件を脱退する際に伝える項目一覧

ステップ2 担当営業に、次の案件を探してもらう 

次の案件に休みなく参加したい場合、担当営業(SES企業、エージェント)に新しい案件の紹介を依頼しましょう。その際、明確に次の案件の要望を伝えましょう。伝え方については、「1⃣ 希望の案件内容の明確化」記事をご覧ください。

ただし、「案件紹介依頼」⇒「新規お客さんとの面談」⇒「契約締結」まで、一気に進めるのは気を付けましょう理由は、既存案件のお客さんに引き留められる可能性があるからです。

上記で「辞める理由」は、お客さんに納得されやすい内容にすると記載しました。しかし、それでもお客さんに引き留めに合う場合があります。引き留められる場合を想定して、「新規お客さんとの面談」はしても、「契約締結」は保留にしておくのが得策です。引き留めに合った場合の対応については、以下「ステップ3」で説明します。

ステップ3 お客さんにプロジェクトを抜ける旨を伝える

仕事の目途が立っていない場合、お客さんには何も言わず何事もなかった様に案件を継続します。仕事の目途が立ち契約終了の意志が固まったら、お客さんに契約終了の希望を伝えます。この時、上記「ステップ2」で記載されてる様に、お客さんから引き留められる可能性があります。

既存のお客さんから引き留めに合うと言う事は、お客さんから評価されているという事になりますので、交渉の余地が発生します。例えば、「あと3ヵ月残るので、契約金を上げて欲しい」と言った交渉を行う事ができます。了承してもらえたら、収入が上がり且つ3ヵ月後に円満で契約終了となります。一方、交渉が決裂しても当初の予定通り契約を終了すれば良いので、何も失う事はありません。もちろん、すぐにでも案件を辞めたい場合は、交渉をする必要はなく丁重にお断りすると良いです。

引き留められない(お客さんが、案件を辞める事を承諾した)場合、その時点で契約終了は確定となりますので、残りの日数を問題を起こさず過ごしてください。

要は、担当営業と連携しつつ、状況を正確に把握して、自分にメリットがる・希望に沿った方向にもっていく事が重要です。

2⃣ ステップ1~3のフロー

以下の図は、上記1⃣のステップ1~ステップ3を、どのタイミングで実施するのか示しているイメージです。イメージは、「休むことなく次の案件に参加する」事を前提としています。案件変更の2か月前に、ステップ1とステップ2を実施します。そして、案件変更の1ヵ月前にステップ3実施します。

案件を抜ける際のフロー

上記イメージは、あくまでも1例で参考情報となります。実際は、エージェントや担当営業と相談しながら、その時の状況を踏まえてアクションを起こすことをお勧めします。

まとめ

会社員であれば、案件(お客さんプロジェクト)を抜けても、会社が次の案件を見つけてくれます。さらに、案件が見つからず待機する事になっても、会社から給料が出るので生活への影響は、無いと言えます。しかし、フリーランスは「案件が無くなる=収入がゼロ」になります。そのため、案件を変える際は、既存案件を保険にするなどしてリスクを緩和する工夫をする必要があります。

フリーランスエンジニアは、違う案件に移動する事で新たなチャレンジ、チャンス、収入アップを得る事ができますが、前のめりにならずエージェントや担当営業と連携を取りつつ、自分に最大限のメリットが来るように対応をするのが良いです。