フリーランスエンジニアの活動でよく使われる言葉(用語)

フリーランス案件の探し方

フリーランスエンジニアは、お客さん(会社)のプロジェクトに1メンバーとして参加します。そのため、会社員としての礼儀や言葉つかい、ITの専門用語を知っていれば、プロジェクト内で自然に立ち振る舞いができます。しかし、「案件探し」や「お金に関する事」になると、事情が異なります。

会社員だと案件探しは行わないですし、また給料も毎月決まった日に、決まった額が支払われます。しかし、フリーランスエンジニアだと、案件探しは必須ですし、案件によって報酬額や支払いのタイミングが異なります。そのため、案件探しやお金に関する事になると、フリーランスエンジニア特有の言葉(単語)があります。

この記事では、フリーランスエンジニアとして活動する際に、比較的よく使用される単語について説明します。

1⃣ 5つのフリーランスエンジニア用語

先ずは、この記事で紹介する5つの用語と簡単な意味について記載します。詳細については、以下2⃣~6⃣をご覧ください。

フリーランスエンジニア用語

2⃣ 単価

フリーランスエンジニアとして活動する中で、一番よく使う単語です。意味は「月ごとにお客さんから支払われる、消費税額が含まれる前の金額(契約金額)」となります。

お客さんから支払われる報酬(契約)金額には、消費税が含まれた金額が支払われます。そして、消費税が含まれていない金額を「単価」と呼びます。

「単価」をよく使う場面は、案件を探す時です。エージェントやSES企業の営業担当者から、
案件の紹介をしてもらう際、契約金額の話がよく出ます。その際、エンジニア「この案件の単価は、いくらですか?」、営業「この案件の単価は、XXX円/月ですよ」などのような、会話をします。

そのため、実際にフリーランスエンジニアになって案件を探す際、この単語が出てきたら、「消費税が反映される前の月額」と認識します。

ただし、例外があります。エージェントやSES企業の営業担当者の中には、「単価」と言いながら、消費税込みの金額を伝えてくることがあります。ただ単純に間違っているのか、それとも他の意図があって「単価=消費税込みの金額」としているのかは、不明です。

これは要注意です。消費税なし金額と思ってたら、消費税込みの金額だった。結果、収入が当初思ってたよりも減ってしまうリスクがあります。

そのため、エージェントやSES企業の営業担当者と単価の話しをする際は、
「単価 = 消費税反映前の金額」である事を、念のため確認した方が良いです。

3⃣ 超過金額と控除金額

お客さんからの支払い金額については、上記2⃣の「単価」が最も注目されますが、実は他にもお客さんから支払われる報酬があります。それが、「超過金額」「控除金額」です。

報酬と言っても、「超過金額」は、プラスの金額ですが、「控除金額」はマイナスの金額なので注意が必要です。

フリーランスエンジニアとして働く場合、契約書(注文書)には、月にXXX時間(以下、最小稼働時間)~XXX時間(以下、最大稼働時間)働く事が記載されています。1ヵ月ごとに最小稼働時間~最大稼働時間の範囲内で働いた場合、「単価」+ 消費税が支払われます

それでは「1ヵ月の稼働時間が、最小稼働時間~最大稼働時間の範囲外」の場合、
つまり「稼働時間 < 最小稼働時間」、または「稼働時間 > 最大稼働時間」の場合どうなるのかと言うと、お金の「精算」が行われます。

それが、「控除金額」「超過金額」です。

①「控除金額」

1ヵ月の稼働時間が、「最小稼働時間」を下回ると、1時間ごとに一定の金額が契約金額から差引かれます。これを「控除金額」と呼び、その月の収入がダウンします。

「控除金額」自体は、「単価」に比例します。「単価」が大きければ、差引かれる金額が大きく、
「単価」が小さければ、差引かれる金額も小さいです。今の相場では、1時間に付き4,000円程度の金額が、「単価」から差し引かれます。

②「超過金額」

1ヵ月の稼働時間が、「最大稼働時間」を上回ると、1時間ごとに一定の金額が単価に追加されます。これを「超過金額」と呼び、その月の収入がアップします

1時間ごとの「超過金額」は、「単価」に比例します。「単価」が大きくなれば、加算される「超過金額「が大きくなります。一方、「単価」が小さければ、加算される「超過金額」も小さくなります。今の相場では、1時間に付き3,000円程度の金額が、契約金に加算されます。

「超過金額」の額は「控除金額」よりも少ないです。つまり、収入ダウンの幅の方が大きいです。理由は、不明ですが、なんか納得いかないですね。

上記2⃣・3⃣の用語は、案件に参加する際に作成される契約書(注文書)にも記載されます。契約書の概要については、フリーランスエンジニアの契約書の記載内容をご覧ください。

4⃣ 支払いサイト

その月の契約金(消費税込み金額)が、請求書をお客さんに提出してから、自分の口座に振り込まれるまでの期間(サイト)です。

会社員だと、給料は翌月払いですが、フリーランスエンジニアの場合、案件によって報酬が自分の口座に振り込まれるタイミング(サイト)が異なります

「良くある支払いサイトは30日」です、つまり請求書をお客さんに提出してから30日後に、口座にお金が振込まれます。中には、「45日や60日」など、翌々月にならないとお金が支払われない案件もあります。

お金は、早くもらえた方が良いので、契約をする前に営業担当者に確認をするのが良いですね。案件探しの際の一つのポイントもなります。

5⃣ 商流

自分(フリーランスエンジニア)と実際にお金を支払うお客さんの間に、何件のエージェントまたはSES企業が関わっているかを示す言葉です。

お客さんと自分(フリーランスエンジニア)の間にエージェントやSES企業が多いと、それだけお金を「中抜き」される事になります。その結果、以下のような事が発生する可能性があります。

  • 自分(フリーランスエンジニア)への支払い金額(契約金額)が減少する
  • プロジェクトに入ってから、契約金が上がりにくくなる。又は、契約金が上がっても上がり幅が小さくなる。

上記のような事にならないように、案件を紹介してもらった時に、営業担当者に「商流はどうなってますか」といった感じで確認すると良いです。

商流が深い、つまり自分(フリーランスエンジニア)とお客さんの間に、利害関係者(エージェント、SES企業)が多い場合、その案件は要注意です。

逆に、商流が浅い、つまり自分(フリーランスエンジニア)とお客さんの間に、利害関係者(エージェント、SES企業)が少ないと、契約金は比較的高くなりますし、案件に入ってからの契約金が、上がり易く、また上がる幅も大きくなります。

6⃣ 1ヵ月前ルール(暗黙)

フリーランスエンジニアが案件を辞める意思を、お客さんに伝えるタイミングのルールです。

フリーランスエンジニアは、1つの案件に一生居るわけではなく、お客さんの案件を転々とします。
そのため、「案件に参画する」⇒「案件を辞める」を何度も繰り返します。

「案件を辞める」時、参画案件での作業状況や次の案件の状態(有無)など見定めて、波風立てず、自分へのリスクを軽減しながら辞める必要があります。ただ、ギリギリまで見定めて、例えば「一週間後に辞めます!!」と言った事は、絶対NGです。

「案件を辞める」場合、案件を辞める「1ヵ月前」までに、担当営業を通してお客さんに辞める意思を伝える必要があります。理由は、担当営業やお客さんも、ギリギリになって辞めると言われても困るからです。

このルールは、SES業界では「1ヵ月前ルール」として、明示的ではないですが、暗黙の了解として一般的に認知されています。

上記の通り、フリーランスエンジニアは、案件を転々としながら自分のキャリアを上げ、収入を上げていきます。しかし、やみくもに案件を辞めても、次の案件がなければ意味がありません。案件は継続して獲得する事が重要です。案件を継続して獲得するためのポイントに付いては、継続して案件を獲得するポイントをご覧ください。

7⃣ まとめ

この記事では、頻繁に使用される「5つのフリーランスエンジニア用語」について記載しました。フリーランスエンジニアは、基本的にお客さんのプロジェクトに1メンバーとして参加する業務形態です。そのため、一見やっている事は会社員と同じです。

しかし、案件探し・契約処理・確定申告など、会社員では行っていない事が沢山あります。そして、その分、専門用語があります。そのため、フリーランスエンジニアとして働く際は、しっかりと専門用語を理解し使えるようになることが重要です。