会社員から思い切ってフリーランスエンジニアになったばかりの頃、早くフリーのエンジニアとして一人前になりたいとの思いが強く、がむしゃらに仕事をしました。しかし、それが祟(たた)って体調を壊し、それによりフリーランスエンジニアの大変さを学びました。
この記事では、フリーランスエンジニアの初案件で頑張りすぎて体を壊し、フリーランスエンジニアの大変さを痛感した失敗談についての記事を書きます。
1⃣ フリーランスエンジニアでの初めての案件への意気込み
フリーランスになって最初の案件。早くフリーランスエンジニアとしての実績を積み一人前になりたい焦りにも似た「思い」と「仕事が無くなる=収入ゼロ」の保障が状況への「不安」、そして収入が上がったことによる「やる気」から毎日深夜までガムシャラに仕事をしました。
仕事に夢中になる事で、ある意味充実した日々を過ごしてたけど、すっとエンジン全開。200キロのスピードで走り続ける車みたいな感じで、ガソリンの減りが激しい状態でした。体力の低下・・・ストレスの増加・・・

2⃣ 突然の腹痛発生
案件に入って3か月が過ぎる頃、その日も遅くまで残業し、帰宅・食事、睡眠。夜中の25時頃にハッと目が覚める。「あれ?」腹痛が…半端ない。胃袋をギューッと鷲掴みされているような感じ。冷汗が止まらない。あまりの痛さに言葉が出ない。
この時、2つの意味で「やばい!!」と思いました。
- 自分の体への心配、不安
- 明日も仕事。このままだと仕事に行けない。最悪案件を失うかもという不安、焦り
そして「ああ、もう、フリーランスエンジニアとして働き始めたばかりなのに、なぜ今?!」と、強く思いながら、同時に「この痛さどうしよう、ああああ!!」・・・初めての経験で、半ばパニクッていました。
しかし、そんな中で、「あっ!そうだ!!」

3⃣ 救急病院へ行こう!
地獄に仏。大学の系列病院が家から5分ほどの所にあり、しかも救急病院がある事を思い出しました。今まで、病気になった事はもちろんありましたが、救急病院を利用する事は一度もなく、自分には関係の無い世界と思っていました。が、しかし、この時ばかりは、「おお、助かった!!」と、1ミリの迷いなく救急病院に行く事に決めました。
「まさか、救急病院に行く事になる日がくるとは・・・」なんて思いながら。
冷や汗をかき、お腹を押さえながら、真夜中の暗く、シーンとした道をフラフラな状態で、歩きました。救急病院まで5分の距離でしたが、とても遠く感じました。「遠い…、こんなに遠かったかな?」
救急病院に到着。当たり前だけど、他にも患者がいる。複数台の救急車が、救急の入り口付近に止まっていました。ちょうど、患者さんを救急車から病院内に運ぶところ。ぐったりした患者さんが寝ているストレッチャーを、二人の救急士の方々が急いで運んでいました。
一方、他の救急車の救急士の方は、ストレッチャーに何かスプレーをかけていました。多分、患者さんを運び終えて、ストレッチャーを消毒していたと思います。
かなりリアル…「火事場・・・」、初めて直に見た現場に言葉が出ない…
それに比べて自分の症状って・・・診察してもらえるのか不安になる。

受付にて、看護師さんにどの救急車で来たのか聞かれました。
自分「歩いてきました。」
看護師さん「えっ?!」
自分「近くに住んでいるので・・・」
看護師さん「え、そうですか。歩いてくる人初めてです」
自分「ああ。そうですか。すいません・・・」
体調が悪く気持ちが弱っているせいか、看護師さんが忙しそうだったためか、謝ってしまった。
ただ、心の中では「そんなことより、早く診察してください!!!」だった。
受付を終わって待たされる事30分ほどの間、ひたすら激痛を耐える闘いだった。近くに看護師さんが居ましたが、すごく忙しく働いてるので、声を掛ける事ができなかった。
「痛いよ~」小声で唸ってました(笑)。
やっと名前が呼ばれ、レントゲンからの診察。
⇒ 極度のストレス性による腹痛と診断。
自分でも気づかない程のストレスを抱えながら働いていた事に、その時初めて気づいた。
「この3か月、よく体もっていたな・・・」(心の声)
夜中2時にシーンとした部屋で、ベッドに横たわり点滴を受ける。何の点滴だったかは、覚えていない。「なんか落ち着く」・・・ホッとする。久しぶりの感覚。
付き添いの看護師さんが「大丈夫ですよ」って。まさに天使!!
ただ、点滴を受けながら仕事の事を考えた。休むと言う選択肢はなかった。そんな状態でも仕事の事を考えてる自分にビックリだったが、せっかくフリーランスエンジニアとして獲得した案件を失いたくなかったし、ここで案件を失ったら、次の案件を獲得できるのか自信がなかった。焦り、不安、やる気が、病人の自分の影を薄くしていました。
4⃣ フリーランスの厳しさを痛感
夜中4時くらいに治療終了、薬をもらい帰宅。
まだ痛みはあるが、かなり軽減。ホットした。
3時間ほど寝てから、起床、出社。眠くてフラフラ。
仕事中、腹痛はありましたが、気にならなかった。でも昼食時「イタタタッ!」
胃袋に負担がかかる食べ物はダメっぽかった。
そういえば、診察の時に、「食事は軽いものにしてください」とお医者さんに言われていたなあ。腹痛を抱えながら診察を受けてたので、話しあまり入ってなかった。
食事のたびに腹痛に襲われた。「ハァ~つらい」
食事は、野菜中心が1ヵ月ほど続いた。野菜をゆっくり食べる、その後米と肉を少々、っていう感じでした。ステーキ、とんかつ、ハンバーグが食べたくて仕方がなかった。普段はそうでも無いけど、食べれないとなると無性に食べたくなる。
・・・ ただただ、しんどかったし、気持ちが落ちて辛かった。
「なんで、こんなに辛い思いして、働くのかな~」
「休みたい・・・でも休むと案件失うかも・・・案件を失うと収入がなくなる。」
「保障が無いってこうゆう事か・・・」
フリーランスエンジニアは、酸いも甘いも自分
うまくいってる時は、収入・充実の面で満足だけど、体を壊し、働けなくなると収入がゼロ。
だれも、助けてはくれない…
一匹で行動してる野生動物みたいな感じ。
餌は全部自分の物だけど、見つけられないと
空腹で餓死。「こわっ!!」
フリーランスエンジニアの、恐い一面を見せつけられた瞬間でした。
でも、自分の選んだ道、後悔は出来ないし、無い。「早くフリーランスの働き方を身に着けて、一人前になりたい、成らなきゃいけない」と、同時に思いました。
5⃣ まとめ
フリーランスエンジニアは、雇用保険のような保障がないし、仲間もいない。まさに一匹狼。
だから、慎重に且つ自分と相談しながら働く事がとても大事だと思います。
「営業力、技術や知識」はもちろん大事だけど、「自分を客観的に観る意識」と
「フリーランスの恐さへの理解と覚悟」がとても重要ですね。
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