フリーランスエンジニアのデメリットと、その対策

フリーランスになるために準備すること

フリーランスエンジニアとして働いて10数年が過ぎました。フリーランスエンジニアになる事で、収入はアップし、自分の希望の案件に参加する事ができています。ただ、フリーランスエンジニアは良い事だけではありません。会社という組織を抜けて、一人で働く事は、沢山の苦労が伴います。

この記事では、「フリーランスエンジニアのデメリットとその対応策」について記載します。

フリーランスエンジニアのメリットについては、自分が、フリーランスエンジニアになって良かった事の記事をご覧ください。

1⃣ 収入が不安定になりがち

案件が見つからないと収入はゼロ!!
フリーランスエンジニアになると、会社員の時と比べて収入がUPします。しかし、それは「案件がある場合に限る」条件つきです。

案件が見つからない場合、収入は完全にゼロです。案件が見つからない期間が短ければ、そこまで困らないです。しかし、案件探しの期間が長くなればなるほど、収入の無い期間が長くなってしまうので、経済的・精神的なダメージは大きくなります。

対策:継続して案件を見つけ、収入の安定化を目指すには

このような、大変な状況にならない様、又は、なっても影響を小さくするためには、日ごろから「技術力の向上」や、「仕事の幅を広げる」努力が必要です。そうする事で、お客さんからの要望に応じられる様にします。

「技術」であれば、新しいPG言語やクラウド(AWSなど)の習得、新しいツール(GitHubなど)の勉強などを欠かさない様にするのが重要です。

「仕事の幅」であれば、プログラマーだけではなく、設計や要件定義、お客さんとの折衝をできる様にすることが良いですね。

直ぐに効果が出るかは不透明ですが、日ごろからコツコツと努力を積み重ねる事が重要です。

2⃣ 将来の保証がない(退職金がない、老後の年金が安い)

「退職金がない」、そして「国民年金の受給額は安い」。フリーランスエンジニアは、定年退職の制度が適応されないので、退職金がありません。

そして、国民年金を払う事で受給できる金額は、会社員の厚生年金に比べて、はるかに受給額が低いです。そのため、将来働けなくなった時の保証が、国民年金分のみとなり、引退後生活するには全く足りない状況になります。

対策:将来のために十分なお金を得るためには

「無駄使いしない」「技術力を上げて契約金を上げる」は、当たり前です。しかし、それだけでは十分ではありません。また「起業する」方法もありますが、成功する確率は高くはないでしょう。

それでは何をすれば良いのか・・・、答えは「運用」と「積立」になります。以下、主な「投資」と「積立」の制度の一覧になります。どの制度を活用するかは、事前に調査・勉強する事をお勧めします。

【投資】

  • 株式投資
  • 投資信託
  • FX

【積立制度】

  • 国民年金基金
  • 国民年金の付加年金保険
  • 小規模企業共済
  • iDeco(個人型確定拠出年金)
  • 私的積立(保険会社の積み立て商品など)

上記「積立制度」の概要については、積立制度の概要説明をご覧ください。

と言うわけで、上記の制度を活用して、将来に備えて自分でお金を少しづつ貯めていく事をオススメします。

3⃣ けっこう孤独

フリーランスエンジニアは、独りぼっち。「フリーランスエンジニアは=個人事業主」なので、言葉の通り「自身が主体(一人)で事業を行う人」となります。

フリーランスエンジニアの人数は、近年増加傾向だと思いますが、それでも一般的には会社員の方が圧倒的に多いです。そのため、同じ境遇のフリーランスエンジニアの人と会う事は少ないです。

また、会社員は、同じ組織と言う事で、同僚・先輩・後輩との交流が自然と多くなる傾向があります。しかし、フリーランスエンジニアの場合、個人の意識が高いので、エンジニア間の交流は決して多いとは言えません。「人による」と言われればそれまでですが・・・

以下、自分が「孤独」を感じるケースです。一つ一つは小さいですが、積み重なると、それなりに重くなりますね。ほとんどのケースが、人間関係です。

  • フリーランスエンジニアとしてキャリアを考えた時に、直ぐに相談できる人が居ない。
  • 自分以外の人たちが会社員で、フリーランスエンジニアの苦労話し等がしづらい。
    しかも、話をしても、あまり興味を持たれない。
  • 参加した開発案件で、自分以外の人たちが会社員で、ボーナスなどの会社員ならではの
    会話をしている時に会話に入れない。
  • 雇用保険、労働法などが適用されないので、社会での扱いが雑だなと感じる。

対策:交流会の参加

孤独への対応として、「交流会」に参加する様にしています。交流会に参加する事で、現役フリーランスエンジニアや検討中の人と、それぞれの思い・質問・経験などお話しをする事で、孤独感を軽減できています。また、仕事などへのモチベーションUPにも繋がっているので、とても有益です。

交流会に参加する際のポイントは、「コンスタントに、同じ交流会に何度も参加する」ことです。そうすることで、顔なじみが増えていきます。それにより、関係が深化して、いろいろな人と繋がりができます。自分の場合は、「月1回のペースで、決まった交流会に参加しています」。今では、何人かのフリーランスエンジニアや会社員の人たちと、個別に情報交換や食事をする様になりました。

4⃣ 経費の管理

フリーランスエンジニアは、お金に関する全ての事を行う必要があります。

その中で最も手間が係るのは「経費に関する作業」です。この作業は、「専門性が高く」且つ「税務署が絡む」ので、とても手間の掛かる作業です。また、1年を通して行う作業なのでとても大変です。

「経費に関する作業」とは、領収書の管理と仕訳になります。仕事で使用したお金は全て経費として計上できます。それにより、確定申告で支払う所得税の額を低くする事ができます。領収書管理の主な作業は、以下の通りです。

  • お店で領収書をもらい、勘定項目ごとに仕訳する。
  • 仕訳した領収書の値(金額、勘定項目)を勘定アプリ(勘定奉行とか)に入力する
  • 入力した領収書は、まとめて保管する。

上記の作業を、1年を通して行って行きます。単純作業ですが、かなり面倒くさいです。また、仕訳で必要な勘定項目を勉強や確認をしなければならず、結構時間を使います。

やり方は、月ごとや、1年分の領収書を確定申告直前に仕訳する など人ぞれぞれです。一年分の領収書なので、紙の管理も結構めんどくさいです。

対策:少額の領収書は集めない。

領収書の金額は、コーヒー代のような少額の場合が結構多いです。ただ、少額の領収書では、「経費の額は増えないですが、上記①~③の作業は金額を問わず行う必要があり時間の無駄になります」。

そのため、なるべく金額の大きな領収書(交際費、消耗品費、通信費など)に絞って効率的に集めています。少額の領収書の額ですが、人によって異なる思いますが、自身の場合、だいたい500円未満の領収書は無視します。

5⃣ まとめ

フリーランスエンジニアは、会社員ではありません。会社は守ってくれないですし、法律でも保護・サポートはかなり手薄です。そのため、多くのデメリットがあるのは事実ですし、それらのデメリットに対応するために沢山の時間や工夫が必要となります。はっきり言って、面倒くさい事が沢山あります。

しかし、それと同じくらいのメリットもあります。フリーランスエンジニアを検討するのであれば、両方のポイント(メリット、デメリット)をしっかり把握するし、判断する事が大切ですね

フリーランスエンジニアのメリットについては、自分が、フリーランスエンジニアになって良かった事の記事をご覧ください。