契約書はお客様との約束。フリーランスエンジニアの契約書の記載内容について

参加プロジェクトでのポイント

フリーランスのエンジニアとして案件(お客さんプロジェクト)に参加する際、契約書(注文書)が発行されます。契約書には、金額や稼働時間などの収入や労働環境に関する重要な記載がされています。フリーランスエンジニアにとって重要な事は、IT技術や知識、経験ですが、契約書の内容を理解する事もとても重要になります。この記事では、契約書(注文書)のポイントについて説明をします。

契約書(注文書)は、お客さん側が作成しエンジニアが合意する形で締結されます。そして、契約書(注文書)の内容に従って、お金がエンジニアに支払われます。そのため、契約書(注文書)は、お客さんとエンジニア双方にとって、とても重要な書類となります。

また、契約書(注文書)の記載事項は、案件(お客様プロジェクト)を探す際の確認ポイントにもなります。そのため、どのような内容が記載されるのか事前に知っておくと良いでしょう。ちなみに、契約書(注文書)の内容はとても簡単で直ぐに理解できますので、ご安心ください。

1⃣ 契約金額について

契約書に記載される金額は、基本的に2種類あります。「単価」と「税込み金額」です。「単価」はよく使われる単語なので、覚えておくと便利です。

項目名 概要
単価 月ごとの契約金額です。消費税の金額は含まれていません。仕事を探す際、「単価」という単語はよく使われるので、覚えておくと良いです。営業担当者によっては、単価を税込み金額として理解している場合があるので注意が必要です。
税込み金額 単価に消費税額を加算した金額です。実際に、お客さんからは、税込み金額を支払われます。消費税の金額ですが、1年間の課税売上金額が1千万円未満の場合、税金として納める必要はありません。そのまま自身の収入となります。

2⃣ 稼働時間

契約書(注文書)は、金額に関する事がメインですが、時間についての記載もあります。それが、最大稼働時間と最小稼働時間です。案件によって、それらの時間は異なります。また、収入にも影響があるので、重要な項目と言えます。

①「最小稼働時間」と「控除金額」

契約金額が支払われる1ヵ月ごとのミニマムの稼働時間です。言い方を変えると、1ヵ月の稼働時間が、最小稼働時間を下回ると、1時間ごとに一定の金額が契約金額から差し引かれます。これを控除金額と呼び、その月の収入がダウンします。控除金額は、単価(契約金額)に比例します。単価が大きければ、差し引かれる金額が大きく、契約金額が小さければ、差引かれる金額も小さいです。今の相場では、1時間に付き4,000円程度の金額が、契約金から差し引かれます。

②「最大稼働時間」と「超過金額」

契約金額が支払われる1ヵ月ごとの最大の稼働時間です。言い方を変えると、1ヵ月の稼働時間が、最大稼働時間を上回ると、1時間ごとに一定の金額が単価(契約金額)に追加されます。これを超過金額と呼び、その月の収入がアップします。1時間ごとの超過金額は、単価(契約金額)に比例します。単価(契約金額)が大きかれば加算される超過金額が大きくなります。一方、単価(契約金額)が小さければ、加算される超過金額も小さくなります。今の相場では、1時間に付き3,000円程度の金額が、契約金に加算されます。

1時間ごとに加算される金額は、差し引かれる金額よりも少ないです。理由は、不明ですが、なんか納得いかないですね。

3⃣ 「支払いサイト」項目

その月の契約金(消費税込み金額)が、請求してから口座に振り込まれるまでの期間(サイト)です。良くある支払いサイトは30日です、つまり請求してから30日後に口座に振り込まれます。中には、45日や60日など、翌々月にならないとお金が支払われない案件もあります。お金は、早くもらえた方が良いので、契約をする前にエージェントや担当営業に確認をするのが良いですね。案件探しの際の一つのポイントもなります。

4⃣ 契約の更新について

契約の期間ですが、普通は案件が完了するまで契約が継続すると思います。しかし、フリーランスエンジニアが参加する案件では、基本3ヵ月ごとに更新する契約となります。案件によっては、1ヵ月ごと、6ヵ月、1年と異なりますが、今まで参加してきた案件の殆どは3ヵ月ごとの更新でした。期間での契約更新は、メリットとデメリットがあります。

① メリット

案件が自分に合わない場合、案件を辞めて他の案件に行く事が可能です。人間関係がうまく行かない、担当タスクが期待と異なるなど、いろいろと問題が発生するのが案件です。もちろん、それらの問題を解決するために工夫、努力をする必要がありますが、それでも解決しない場合は案件を辞めるのも一つの選択肢と言えます。ただし、次の案件では、うまく行く保障はないので、辞める際はよく考える必要があります。

② デメリット

自分が契約の更新を希望しても、お客さんが希望しなければ契約は解除される事です。その場合、急ぎ次の案件を探す必要があります。もしも、自分に合う案件であれば、日々の業務をしっかりとこなし、その案件に長く居られる様に努力を続ける必要があります。

5⃣ まとめ

契約書(注文書)には、金額や稼働時間など、自分の生活に直結する内容が記載されており、とても生活にインパクトがあります。そのため、契約書(注文書)が発行される前に、エージェントや担当営業に契約書に記載される内容について、しっかりと確認する事をお勧めします。