フリーランスエンジニアの案件探しの流れ(プロセス)について

フリーランス案件の探し方

フリーランスのシステムエンジニアは、仕事を探す際、自分でお客さんへの営業は行わず、案件を紹介するエージェントまたはSES企業(IT関連技術をサービスとして提供する企業)へ案件の紹介を依頼し、自身が参加する案件を決定するのが一般的です。その際、エージェント(SES企業)に仕事の紹介依頼してから案件を決めるまで、ある程度決められた流れ(プロセス)があります。そのプロセスは、とてもシンプルで分かりやすいです。

しかし、実際の案件探しでは、短い期間(1~2週間)で多くの案件情報の確認や選択(意思決定)面談の時間調整面談準備などをスピード感を持って行う必要があります。そのため、案件を探す流れ(プロセス)を事前に知っておく事で、一手先の対応が可能となり、案件探しの質の向上につながります。そして、それにより希望通りの案件を見つけられる可能性を増やす(↑)ことができます。

この記事では、エンジニア(技術者)経歴書の作成~案件を決定するまでの流れ(プロセス)について記載します。

流れ(プロセス)のイメージ

案件を探す流れ(プロセス)には、以下イメージの通り全部で5つのステップがあります。それぞれのステップの説明については、以下項目の1⃣~5⃣をお読みください。

1⃣エンジニア(技術者)経歴書の作成

先ず最初に、技術者経歴書を作成します。経歴書は、過去にどんなプロジェクトに参加しどんなITサービス(スキル、知識)をお客さんに提供できるのか、をまとめた資料となります。経歴書の作成については、システムエンジニア技術経歴書の作成ポイントをご覧ください。

2⃣エージェント(SES企業)の選択と案件紹介の依頼

経歴書の準備ができたら、次は仕事の紹介を依頼するエージェントまたはSES企業を選びます。エージェントやSES企業は数多くおり、それぞれ得意とする分野(例:技術、業務分野)や契約条件(手数料、契約手続き)が異なっています。

もし、自分と合わないエージェントやSES企業と契約をしてしまうと、希望通りの案件に参画できず、フリーランスとして大変な時間を過ごすリスクがあります。そのため、自分に合うエージェントやSES企業を選ぶことが大事です。

自分に合うエージェントやSES企業を選ぶ際のポイントについては、以下の記事をご覧ください。
エージェント・SES企業を選択する際のポイントをご覧ください。

エージェントまたはSES企業が決まったら、案件紹介の依頼を行います。その際、技術者経歴書参加したい案件の希望を伝えます。希望の種類は様々ですが、良くあるのが「金額」、「プログラミング言語」、「場所」、「リモート可」などになります。エージェントまたはSES企業の営業は、経歴書と希望をベースに案件を探します。そのため、技術者経歴書と希望はとても大切な案件探しのツールになります。

技術者経歴書と希望を、エージェントまたはSES企業に伝えたら、後は連絡が来るまでじっと待ちます。この待ち時間は、とてもソワソワ・ドキドキします。ただ、案件紹介の連絡が中々来ない場合、タイミングを見て、営業担当者に状況の確認をすると良いです。

3⃣紹介案件の内容確認と参加希望案件の選択

案件の紹介は、エージェントまたはSES企業の営業担当からメールやSNS(LINEなど)で送付される事が多いです。文面には、案件についての内容が記載されています。主な記載項目は以下表のとおりです。

案件の記載項目や内容の粒度(具体性)は、案件情報よって異なります。なぜなら、案件情報は、お客さん(案件オーナー)が個別に作成しますので、記載項目や内容の粒度(具体性)は、お客さんの数だけ種類があります。そのため、詳細に記載するお客さんもいれば、3~4つの項目しか記載せず、記載粒度が荒い案件情報もあります。

項目名 概要
案件名 開発・運用対象のサービス名(システム名)が記載される事が多い。
例)損害保険代理店業務支援システムの開発・保守  など
案件概要 案件の内容や作業概要など案件の全体イメージのざっくりとした説明
工程 担当する工程
 例)基本設計、開発、リリース など
タスク 担当する主なタスク
 例)設計書の作成、実装、テスト計画作成 など
必要な
スキル
求められるスキル・経験(例 PG言語、役割、ツール(GitHubなど)。
良くあるのは、必須スキル尚可スキル(あれば尚よい)の2パターン。
場所 案件現場の最寄駅 
期間 案件に参加する期間(見込み)。案件状況や自分のパフォーマンスにもよりますが、期間が更新される場合が多いです。
単価 月ごとに支払われる金額。消費税込みの金額や消費税抜きの金額など、エージェントやSES企業によって書き方が異なるので、確認をした方が良いです。
精算 月ごとの最低稼働時間最大稼働時間になります。最低稼働時間を下回ると、その月の単価が減額されたり、逆に最大稼働時間を超過すると追加でお金が支払われます。
面談回数 一般的に1~2回です。案件によって面談の回数が異なります。
年齢 「20代~30代」「40代まで」のように、範囲での記載が多いです。
就業時間 お客さんの会社の就業時間になります。フリーランスエンジニアは、その時間に合わせて仕事をするのが一般的です。

 

4⃣お客さんとの面談の設定依頼

興味のある、または参加したいと思う案件が確定しましたら、案件を紹介してくれたエージェントまたはSES企業の担当営業に、面談の設定依頼をします。面談の日程と場所が決まったら、担当営業から連絡があります。

ただし、面談依頼をしたとしても、面談が組めるかは不透明です。面談は、エンジニアとお客さん(案件オーナー)の同意の元に行われます。そのため、例え、こちらから面談を依頼しても、お客さん(案件オーナー)が断れば、面談は行われません。その場合、別の案件を探す事になります。

面談は、お客さんと直接会う場合は、担当営業と一緒に面談の会場に行きます。リモートの場合は、お客さんから担当営業を通してURLが連携されます。面談の進め方は、先ずエンジニアが技術者経歴書の説明を行います。説明が終わったら、お客さんとの質疑応答を行います。だいたい、30分位で面談は終わります。

技術者経歴書の説明のやり方に付いては、技術者経歴書を説明する際のポイントをご覧ください。

5⃣案件参加の意思決定と現場への入場

面談が終わったら、数日以内に担当営業から面談の結果が伝えられます。NGの場合は、その案件の参加はできませんので、別の案件を探す必要があります。OKが出た場合、担当営業は案件への参加意志の有無を聞いてきます。参加する意思があれば、契約は成立します。参加する意思がない場合は、継続して他の案件を探す事になります。

案件参加が決まったら、案件に合流する日時の連絡が、担当営業からありますので、それに従って行動します。多くの場合、案件初日は担当営業と待ち合わせをして、一緒にお客さんのオフィスまで行きます。

以上が、エンジニア(技術者)経歴書の作成~案件の決定・参加までの一通りの流れ(プロセス)になります。

まとめ

フリーランスになって案件を探すのは、とてもエネルギーを使います。エージェントやSES企業の選択や経歴書の作成から、短い期間でいくつもの案件情報を確認、取捨選択し、お客さんと面談を行っていく。時には、一日に2~3件の面談を行う事もあります。スピード感をもちつつ、意思決定・自己アピール・調整など多くの事をやらないといけません。体やメンタルへの負荷は大きいです。

ただ、このプロセスをこなせる様にならないと、フリーランスとして仕事をしていく事は難しいです。すぐに慣れる必要はありませんが、やりながら徐々に自分のやり方、スタイルを確立する事が大切です。