フリーランスエンジニアは、景気に強く影響を受ける働き方です。景気が良くなれば、案件数や金額は上がります。逆に景気が悪くなれば、状況は厳しくなり、案件を見つけるのが難しくなります。しかし、景気が悪くなったとしても、案件数がゼロになる訳ではありません。この記事では、
「不況下で、獲得しやすい案件と、じゃない案件」について記載します。
以下内容は、この記事の作者の個人的な考えとなりますので、「あ~こんな風な考えもあるんだなあ」くらいで、ご認識ください。
1⃣ 不況になると不利になる案件
景気が悪くなると「取りやめ・延期される案件が急増」します。それにより、フリーランスエンジニアは、参加中の案件を辞める事になったり、新規案件への参加が難しい状況になります。
それでは、不況下に弱い案件はどんな案件かと言うと、それは「新規サービス(システム)の開発」や「既存システムのリプレイス」案件になります。
「新規サービス(システム)の開発」や「既存システムのリプレイス」案件は、不況になると大幅に削減されます。理由は、以下3つあります。
- 企業は、「不景気 ⇒ 財政緊縮」の流れになり易く、多くのエンジニアを抱えコストが掛かる新規開発案件は、取りやめ・延期の対象になりやすい。
- 「新規サービス(システム)の開発」の場合、使用前なので延期・中止してもエンドユーザ
(お客さん)への影響は少ない - 「既存システムのリプレイス」の場合、既存システムを継続して使用する事が可能
上記1について
「新規サービス(システム)の開発」や「既存システムのリプレイス」は、多くの技術者を必要とするため、人件費が高いです。また、新しいサーバ・周辺機器などの機器の購入費用があります。景気が悪くなると、案件のオーナ(企業)は、財政緊縮を行うので、お金の掛かる新規サービスの開発を止める傾向があります。
上記2について
「新規サービス(システム)の開発」は、エンドユーザが使用する前なので、比較的中止しやすいのかと思います(ただ、プレスリリースが終わっている場合は別ですが・・・)。
上記3について
「既存システムのリプレイス」は、既存システムを継続して使用する事で対応が可能なので、一旦案件を保留しやすいです。
と言う事で、「新規サービス(システム)の開発」や「既存システムのリプレイス」案件は、コストが高く、また比較的停止しやすいとの事から、不況になると「取りやめ・延期・縮小」がされる傾向が強くなります。
2⃣ 不況になっても影響を受けにくい案件
景気が悪くなると、一気に案件数が減少します。しかし、ゼロになるわけではなりません。比較的不景気の影響を受けにくい案件もあります。
それは「既存サービスの保守・運用、機能拡張」がメインの案件です。つまり、すでに提供しているサービスを維持・運営する案件となります。
既存サービスの保守・運用、機能拡張の案件が、不況に強い理由は、以下2つあります。
- 既存サービスを止めると、サービスを使用しているユーザが困ってしまうので、止められない。
- 既存サービスなので、技術料やサービス料などのある程度の収益は確保できている。
つまり、既存サービスは、そもそも止める事ができないし、収益もあるので、新規システムの開発案件と比較しても損失ゼロ・最小限に不景気の影響を抑える事が可能と言うわけです。
事前の準備がとても大切
しかし、不景気になったら「既存サービスの保守・運用、機能拡張の案件」があるから安心と言えるのでしょうか・・・。そうではありません。
不景気になると案件数が減るので、競争率が上がります。また、お客さん側も、技術者の選択肢が増えるので、より良いエンジニアを見つけようとします。結果、お客さんからの要望の難易度が上がります。
また、「既存サービスの保守・運用、機能拡張」の案件は、「新規サービス(システム)の開発」とは別の技術・能力が求められます。なぜなら、実際に稼働しているシステムを扱う(更新や改修など)からです。そのため、手違いで設定を変えてしまったり、データ削除したり、バグを仕込んでしまうと、サービスが停止し、最悪の場合賠償問題に発展してしまいます。
そのため、景気が悪くなってから「既存サービスの保守・運用、機能拡張の案件」を探しても、見つかり易いとは言えないですし、見つかったとしても経験がなければ、案件について行けず案件を抜けるリスクがあります。そのため平時の時に「既存サービスの保守・運用、機能拡張」案件を経験しておき、「いざッ」と言う時のために備える事が大切です。
3⃣ まとめ
一般的には、「新規サービス(システム)の開発」の案件の方が規模が大きいですし、最新(希望)技術を使える場合が多いので人気があります。そのため、フリーランスエンジニアは「新規サービス(システム)の開発」案件を優先的に探し・参加しがちです。
しかし、平時(景気が悪くない時)に、「既存サービスの保守・運用、機能拡張」案件を経験しておく事は重要です。そうすれば、景気が悪くなり、案件数が減少しても、継続して収入を得られる可能性を上げる事ができるからです。
常日頃から「平時」だけでなく「有事」の事も念頭において、案件を選ぶ事が重要だと思います。